真世の王 - story -

last updated: 2006/12/28

いよいよ世の終わり、近づき
〈真世の王〉が請われるとき
完璧なる声、正しき言葉、
ふたつながらに持ち合わす者
無形の玉座につくことを得ん。
かつて〈銀の声持つ人〉が言葉の力で創りあげた世界。
だが、人の営為はいつしかその姿を変容させ、
完璧だったはずの世界は綻び、魔物が跳梁するようになっていた。
辺境出身の青年ウルバンは、乱戦のさなか、偶然領王を救いだす。
言葉の力で魔物と戦おうと目論む領王は、しかし、飛来した竜にそれを禁じられた。
領王の随従として王都に向かったウルバンは、そこで竜使となった幼馴染み、
ジェンと再会し、世界の秘密の一端を担う、ひとりの娘の守護をたのまれる——。
「ウルバン、君なら王城のくだらない儀式や慣習に縛られない。
ある程度の特権は許してもらえるよう奏上しておく。
だから——どうか姫を守ってくれ」

「お願いだ」