だって、自分は父母の死に顔も覚えていない。
「今、ここにいる自分自身を、どうにも信じきれない」 父母を失い、抜け殻のようになった陸遜。彼を引き取ってくれたのは、従祖にあたる廬江太守の陸康だった。陸康の次男である陸績と言葉をかわす内に、少しずつ平静を取り戻していったかに見えた陸遜だったが——。
「今、ここにいる自分自身を、どうにも信じきれない」
父母を失い、抜け殻のようになった陸遜。彼を引き取ってくれたのは、従祖にあたる廬江太守の陸康だった。陸康の次男である陸績と言葉をかわす内に、少しずつ平静を取り戻していったかに見えた陸遜だったが——。