what i wrote: [2002/05/01]

*W* 〆切の神様降臨 *W*
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[2002/05/01]

 指輪物語映画の話題を最上段に載せたまま、まる二ヶ月ほど放っておいてしまった近況。思えば、原作未読者のための映画版FAQも、自分のサイト上では掲示板でしか公開を報告していなかった。杜撰だ。

 留守にしていたあいだは、無論、忙しかったのだが――このあたりは、掲示板の「本日の進捗状況」スレッドに詳しい――今もまだ、忙しさは絶頂。五月二十四日発売予定の本のゲラを昨日受け取ったなどというのは、〆切を(わりと)守るだけが取り柄の作家人生では異状事態。

 新書二冊(あわせて七百ページほど)、エニックス EXノベルスより『真世の王 黒竜の書』『同 白竜の書』として刊行予定。今回はエンターテインメントしなきゃなどとは微塵も思っていないので、普通の人は避けてくださいごめんなさいすみませんでもいいじゃないかたまにはー!

 初稿をあげる直前にも降臨なさった〆切の神様(定義=〆切直前になるとあらわれ、遅筆な作家に罰を当てる)だが、またしても降臨。

 28日深夜。29日に編集者から『真世の王』のゲラを受け取ることになっていたわたしは、その前に、東京創元社から出るクトゥルー神話アンソロジー『秘神界』(2002/04/30 東京創元社サイトの新着情報ページに執筆者一覧等の記載あり)の校正を終わらせてしまわねば、と焦っていた。

 例によって、校閲の手を経て赤裸々に姿をあらわした表記揺れ(定義=同じ語を文字であらわすときの法則の非統一。漢字/かなの非統一や、同一語に異なる漢字をあてるなど)を一括でチェックすべく、膝の上にゲラを置き、テキストファイルで検索をするのが通常スタイル。余談だが、これが背中と腰と肩を痛める原因のひとつである気がする。
 その最中に、いきなり我が愛機 PowerMacintosh G3 がフリーズ。よくあることなので、最初はあわてなかったのだが、これが実に二時間にわたる格闘につづくとは思わなかった。興味がないかたは、下までスキップどうぞ。

 本体リセットで再起動
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 画面右下に WXG(メインで使用しているIM)の制御パレットが点滅し、デスクトップに他のものが表示されないまま、ハードディスクがカリカリという音を発しつづける。
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「Command」+「Option」+「esc」でカリカリだけは止まる。
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 機能拡張を読みこまずに起動すればよいのでは? と考えるが、始終やっていることなのに、機能拡張を読みこまないようにして起動する方法を忘れた。
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 しかたがないなあ、と古い方の Mac を起動しようとしたら、こちらも起動しない。
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 両方の Mac で何回か再起動をかけてみるが(古い方はキーボードから「Command」+「Control」+「Power」でできるが、新しい方は本体のリセットボタンを押す以外どうしようもない)、状況変わらず。まぐれで機能拡張を読みこまないキーに当たらないかといろいろ押してみるも、すべてハズレ。
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 古い方の Mac の接続確認。ベランダの外に出て逐一チェック。
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 配線はすべてしっかり繋がっていたが、そういえば、年末にプリンタが壊れたので外したことを思いだした。古いプリンタは SCSI なので、外付けハードディスク→ZIP→プリンタ、と繋がったデイジー・チェーンの終端を受け持っていたはず。
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 配線をごそごそするのに疲れたので、新しい方の Mac に OS8.6-J の CD-ROM を入れ、そこから起動できないかやってみようとしたが、無論のこと、CD-ROM から起動するためのキーボード操作も忘れている。
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 諦めて、とにかく SCSI の終端がなくなったのがあやしいと睨み、外付けハードディスクの電源を入れないまま、古い方の Mac を起動。やっと、にっこり Mac が出る。
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 ネットにつないで検索。キーボード操作の方法を発見し(機能拡張マネージャを表示させる=「Space」を押しながら起動/機能拡張を読みこまずに起動する=「Shift」を押しながら起動)、まずは機能拡張マネージャを最初に立ち上げる方式で起動。
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 OS最小セットで立ち上げるも、依然、同じ症状。
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 今度は機能拡張を完全排除して立ち上げ。WXG のスタートアップというのが起動項目に入っていたので、これを取り除いてみる。
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 無事に起動。念のため、その状態で WXG に IM を切り替えてみると、ふたたび同じ現象が発生し、リセットを余儀なくされる。
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 WX 関連ファイルを辞書以外すべて捨て、入れ換える。
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 現在に至る。一応順調に動作。

 というわけなのだったが、ユーザー辞書を保管したつもりで、実はエイリアスだったというオチがついた。このみごとに隙のないウッカリぶり、ほ・ん・も・の・だー。ほんものの自分だー。

 〆切の神様との戦いは、まだ終わらない。とうとう必要に迫られて机の上をかたづけ、ゲラをそこに移動させて、膝の上は辞書てんこもり状態。がんばれ自分。

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