what i read: 2001/04/21-30

*R* ビジョルド二連発 *R*
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[2001/04/21-30],updated 2001/06/18

 ビジョルドの『スピリット・リング』がおもしろかったので、ほかにビジョルド作品はなにか家にないのかと漁ったら、家人の蔵書が出てきた。さっそく『戦士志願』を読む。おお。チビで背伸びしぃで頭が良くて小憎らしくて負けず嫌いの主人公のマイルズってば、ツボ装備!

 困難→挑戦→予想以上の成功→次の瞬間に転落→困難→挑戦→予想以上の(ループするので以下略)。このテンポのよさが、読者を飽きさせない。物語を展開させる力がある作家。いわゆる「ストーリー・テラー」タイプ、しかも堅実。

 同じくビジョルドの『自由軌道』は『戦士志願』と同じ設定の世界を舞台にした傑作SF。宇宙空間での無重量下で作業がしやすいように、足のかわりに手がある、人為的に遺伝子をいじられ、改造された子どもたちと、かれらの技術教師として派遣された男、企業の論理で廃棄されそうになるプロジェクト――。

 ショッキングすぎて、読みづらい人はいるかもしれない。だが傑作。とりあえず、読んでおくべき一冊。読んでよかった。

ケルト妖精たちの世界(下)』は上巻につづいての資料本。ほかであまり見たことのないエピソードが読めて、おもしろかった。

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ビジョルド二連発: 2001/04/21-30 (updated 2001/06/18)
N戦士志願ロイス・マクマスター・ビジョルド
(小木曽絢子:訳)
東京創元社(創元推理文庫)1991.01.30
THE WARRIOR'S APPRENTICELois MacMaster Bujold
1986
N自由軌道ロイス・マクマスター・ビジョルド
(小木曽絢子:訳)
東京創元社(創元推理文庫)1991.08.30
FALLING FREELois MacMaster Bujold
1988
C O グリムが案内する
ケルトの妖精たちの世界(下)
トマス・C・クローカー
(グリム兄弟:解説・注/藤川芳朗:訳)
草思社2001.03.30
Fairy Legends and Traditions of
 the South of Ireland
Thomas Crofton Croker
Jacob & Wilhelm Grimm


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