はっきりして欲しいこと | ||
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[2001/04/11-20],updated 2001/06/12 | ||
前の十日間で本を読みまくったせいか、この十日間はほとんど読む気が起きなかった。どうも、一ヶ月に受容できる本の上限が決まっているのではないかと最近思う。 ▼ 『エウリディケの娘』は青春ホラー……だと思う。そして『黄昏の岸 暁の天』は〈十二国記〉待望の新作。 後者については「うがー! 話が進んでない! つづきー!」でほとんど読了直後の感想を十全に表現できると思う。 ファンタジーはシステマティックな設定と馴染まない部分があるということを『黄昏の〜』の感想に書いたが、ではきちんとした説明が必要ないかというと、そうではないような気もする。驚異や神秘を描くにしても、作品に応じて必要な説明のレベルというものがあると思う。 『エウリディケ〜』はまさにその説明が(わたしにとって)たりなくて、読み終えてからもなにか釈然としないものが残った。 このへんは、例によってジャンル読者としての頑さに起因する感想ではないかと思うが、なぜそれが起きているのかの説明が、もうすこし欲しかった。おそらく著者の描きだしたい部分というか、作品の要求する力点がそこになかったのだろう。 それさえ気にならなければ、切なさ満載のいい話だと思う。とくに若い読者にすすめたい。 |
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はっきりして欲しいこと: 2001/04/11-20 (updated 2001/06/12) | ||||
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F | エウリディケの娘 | 友谷蒼 | エニックス(EXノベルズ) | 2001.04.06 |
F | 黄昏の岸 暁の天 〈十二国記〉 | 小野不由美 | 講談社(講談社文庫) | 2001.04.15 |
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