what i read: 2001/03/21-31

*R* 仕事をしながら *R*
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[2001/03/21-31],updated 2001/05/09

 昔は、自分の原稿を書いているときは小説を読めなかった。なぜなら、すぐさま文体が伝染してしまったからだ。今はもう容易にはうつらなくなったが、それなら自分の文体というものを確立できたのかと考えると、いささかこころもとない。

伝説は永遠に 3』は『伝説は永遠に 2』と同じく、人気作家の人気シリーズ番外編を集めたアンソロジー。ジョーダンは、とことん合わない。冗長で読みづらく、これを読むだけで数日かかってしまった。ル・グィンの短編は『帰還』の語り直しであろう。ゲドやテナーといった馴染みの登場人物たちを著者の思想の語り手にするより、はじめからこの短編のように出してほしかった。プラチェットのディスク・ワールドは楽しめたし、タッド・ウィリアムズのオステンアード・サーガはぜひシリーズすべてを読みたい。

 人気作家といえばビジョルド。かねてから評判が高いので読んでみねばと思っていた。書棚専用掲示板の方でお勧めいただいたのを機に、『スピリット・リング』を読んでみた。評判にたがわぬおもしろさ。これでロマンス的な要素がもっと盛り上がっていたら、女性読者に太鼓判ついてお勧めできるのになあ。惜しい。でも、それがなくても、ここまでおもしろい。

 そのほかにも、評判のよい小説を読んでみる。『DADDY FACE』は、菊地秀行氏の名作〈トレジャーハンター・シリーズ〉をどこか連想させるところがある、宝探しをメインに据えたドメスティック・コメディ。とことん情けない主人公のキャラクターが魅力的。

 以前から探していた『EDGE』の続編『EDGE 2』を発見。これもおもしろいと評判だったので期待して読む。サイコ・ミステリーの秀作。現在、シリーズ第三作まで刊行済み。

青雲はるかに』は、范雎のたどった苛烈な人生を描く。古代中国もの。いつもと変わらぬおもしろさであった。

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仕事をしながら: 2001/03/11-20 (updated 2001/05/09)
C F伝説は永遠に 3
〈ファンタジイの殿堂〉
ロバート・シルヴァーバーグ:編
(斎藤伯好 他:訳)
早川書房(ハヤカワ文庫FT)2000.12.15
LEGENDSedited by Robert Silverberg
1998
Fスピリット・リングロイス・マクマスター・ビジョルド
(梶元靖子:訳)
東京創元社(創元推理文庫)2001.01.26
THE SPIRIT RINGLois McMaster Bujold
1992
N青雲はるかに(上)宮城谷昌光集英社(集英社文庫)2000.12.20
集英社1997.11
N青雲はるかに(下)宮城谷昌光集英社(集英社文庫)2000.12.20
集英社1997.11
NDADDY FACE伊達将範メディアワークス(電撃文庫)2000.03.25
NEDGE 2
 三月の誘拐者
とみなが貴和講談社(講談社X文庫ホワイトハート)2000.06.05
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