ハルキ文庫ヌーヴェルSF宣言 | ||
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[2000/09/11-20],updated 2000/10/19 | ||
まず集英社スーパーダッシュ文庫から。『フェアリーランド・クロニクル』は嬉野秋彦氏の新シリーズ。同じ世界観の作品もあるらしい。中世ヨーロッパのロマンス的なタームを使用しながらスピード感のある読みやすさ。眼鏡っ娘の悪魔っ娘が魅力的。 『H.O.P.E』は少年天才外科医もの。近未来 SF で、背景に仕掛けがあるようだ。 ▼ 『タツモリ家の食卓2 星間協定調印』は、ドメスティック・SF・コメディ。キャラは立っているが、エピソードが単発で、全体としての流れが弱いのが惜しい。 ▼ 評判のよかった小川一水氏の『イカロスの誕生日』もようやく読んだ。空へ、より高くより遠くより自由へと向かう視線が SF のある種の原点への回帰を感じさせる、爽やかな作品。 ▼ 爽やかな読了感といえば、同じ著者によるハルキ文庫の『回転翼の天使』も爽やかだった。救難活動にからめてやや強引にまとめた感はあるが、でも、おもしろい。 『カラミティナイト』はキャラの立ちかたが半端ではない。眼鏡っ娘マニアのみならず、女性が読んでも違和感を覚えずに済む女性キャラ同士の友情もの。一冊として読むと明かされずに終わる謎が多くて困惑するが、続編があるそうなので、問題なし。 『戦国吸血鬼伝』は伝奇小説の意欲作。担当氏は『帝都物語』風との談話だが、わたし的には山田風太郎調。その筋の人は必読。読まなきゃ損。読後けなしている人を知らないが、読んだ人の数自体が少なすぎる。勿体ない。もっと多くの人に読んでほしい。 『ワイルド・レイン1』は昔わくわくしながら読んだ翻訳 SF を読んでいたころを思いだす味わいがあった。なにがそういう感じを呼び覚ますのかは、当人にも謎……。 ▼ 『彼方の山へ』は唯一の非小説本。谷甲州氏の山エッセイ集。 |
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ハルキ文庫ヌーヴェルSF宣言: 2000/09/11-20 | ||||
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F | フェアリーランド・クロニクル 銀の剣 | 嬉野秋彦 | 集英社(集英社スーパーダッシュ文庫) | 2000.07.20 |
N | H.O.P.E | 一条理希 | 集英社(集英社スーパーダッシュ文庫) | 2000.08.30 |
O | 彼方の山へ | 谷甲州 | 中央公論新社(中公文庫) | 2000.06.10 |
N | イカロスの誕生日 | 小川一水 | 朝日ソノラマ(ソノラマ文庫) | 2000.05.31 |
N | タツモリ家の食卓2 星間協定調印 | 古橋秀之 | メディアワークス(電撃文庫) | 2000.09.25 |
N | 戦国吸血鬼伝 信長神異篇 | ゆうきりん | 角川春樹事務所(ハルキ文庫) | 2000.09.18 |
F | カラミティナイト Calamity Knight | 高瀬彼方 | 角川春樹事務所(ハルキ文庫) | 2000.09.18 |
N | 回転翼の天使 ジュエルボックス・ナビゲイター | 小川一水 | 角川春樹事務所(ハルキ文庫) | 2000.09.18 |
N | ワイルド・レイン1 触発 | 岡本賢一 | 角川春樹事務所(ハルキ文庫) | 2000.09.18 |
ワイルド・レイン | 徳間書店 | 1996.05 | ||
c | title | author | publisher | date |