what i read: 2000/09/11-20

*R* ハルキ文庫ヌーヴェルSF宣言 *R*
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[2000/09/11-20],updated 2000/10/19

 まず集英社スーパーダッシュ文庫から。『フェアリーランド・クロニクル』は嬉野秋彦氏の新シリーズ。同じ世界観の作品もあるらしい。中世ヨーロッパのロマンス的なタームを使用しながらスピード感のある読みやすさ。眼鏡っ娘の悪魔っ娘が魅力的。

H.O.P.E』は少年天才外科医もの。近未来 SF で、背景に仕掛けがあるようだ。

タツモリ家の食卓2 星間協定調印』は、ドメスティック・SF・コメディ。キャラは立っているが、エピソードが単発で、全体としての流れが弱いのが惜しい。

 評判のよかった小川一水氏の『イカロスの誕生日』もようやく読んだ。空へ、より高くより遠くより自由へと向かう視線が SF のある種の原点への回帰を感じさせる、爽やかな作品。

 爽やかな読了感といえば、同じ著者によるハルキ文庫の『回転翼の天使』も爽やかだった。救難活動にからめてやや強引にまとめた感はあるが、でも、おもしろい。

カラミティナイト』はキャラの立ちかたが半端ではない。眼鏡っ娘マニアのみならず、女性が読んでも違和感を覚えずに済む女性キャラ同士の友情もの。一冊として読むと明かされずに終わる謎が多くて困惑するが、続編があるそうなので、問題なし。

戦国吸血鬼伝』は伝奇小説の意欲作。担当氏は『帝都物語』風との談話だが、わたし的には山田風太郎調。その筋の人は必読。読まなきゃ損。読後けなしている人を知らないが、読んだ人の数自体が少なすぎる。勿体ない。もっと多くの人に読んでほしい。

ワイルド・レイン1』は昔わくわくしながら読んだ翻訳 SF を読んでいたころを思いだす味わいがあった。なにがそういう感じを呼び覚ますのかは、当人にも謎……。

彼方の山へ』は唯一の非小説本。谷甲州氏の山エッセイ集。

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ハルキ文庫ヌーヴェルSF宣言: 2000/09/11-20
Fフェアリーランド・クロニクル
 銀の剣
嬉野秋彦集英社(集英社スーパーダッシュ文庫)2000.07.20
NH.O.P.E一条理希集英社(集英社スーパーダッシュ文庫)2000.08.30
O彼方の山へ谷甲州中央公論新社(中公文庫)2000.06.10
Nイカロスの誕生日小川一水朝日ソノラマ(ソノラマ文庫)2000.05.31
Nタツモリ家の食卓2
 星間協定調印
古橋秀之メディアワークス(電撃文庫)2000.09.25
N戦国吸血鬼伝
 信長神異篇
ゆうきりん角川春樹事務所(ハルキ文庫)2000.09.18
Fカラミティナイト
 Calamity Knight
高瀬彼方角川春樹事務所(ハルキ文庫)2000.09.18
N回転翼の天使
 ジュエルボックス・ナビゲイター
小川一水角川春樹事務所(ハルキ文庫)2000.09.18
Nワイルド・レイン1 触発岡本賢一角川春樹事務所(ハルキ文庫)2000.09.18
ワイルド・レイン徳間書店1996.05
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