メールマガジン配信開始 | ||
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[2000/08/11-20],updated 2000/09/29 | ||
読了本は五冊。新刊の校正と平行して、新人賞の下読みを始めていた。 『柿の種』は寺田寅彦の随想集だが、冒頭の一本はファンタジー者必読。メールマガジンで配信した感想文第一号はこの本だった。 ▼ 本格ファンタジーと銘打たれた『リングテイル2 凶運のチャズ』は、副題におどろかされた。 早川文庫FT系で多数の訳書がある作家タニス・リーのシリーズに登場するキャラクターで、枕詞は「狂乱」の「チャズ」というのがいるのだ。「凶」と「狂」で字は違えど音までかぶっているぞ。翻訳ファンタジーを好きそうな著者なので、偶然とは思えない。その類似に喜ぶ人もいるかもしれないが、わたしは退いた。 ▼ 新人賞の下読みをしていると、受賞作が達すべきレベルを確認したくなる。というわけで、スニーカーの新人賞をとった『ラグナロク』に手をつけてみる。 演出のすぐれたゲーム(ex.『ファイナル・ファンタジー』)の派手な戦闘シーンを取り出して文章化したような作品で、一巻は「自分探し」テーマもうまく機能していると感じた。なるほど、人気が出るのもうなずける。 ▼ 『ピニェルの振り子』はジュブナイル SF の秀作。根こそぎ連れてこられて新しい環境に放擲された人々という基本設定に、懐かしの SF〈リバー・ワールド〉を想起する。 おもしろかったのだが、個人的には、もうちょっと古い英国っぽい文化の描写がある方が嬉しかった。本筋に関係のないディテールゆえに省略されてしまったのだろうが、もったいない。 |
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メールマガジン配信開始 : 2000/08/11-20 | ||||
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C O | 柿の種 | 寺田寅彦 | 岩波書店(岩波文庫) | 1996.04.16 |
F | リングテイル2 凶運のチャズ | 円山夢久 | メディアワークス(電撃文庫) | 2000.08.25 |
N | ピニェルの振り子 〈銀河博物誌1〉 | 野尻抱介 | 朝日ソノラマ(ソノラマ文庫) | 2000.07.31 |
F | ラグナロク 黒き獣 | 安井健太郎 | 角川書店(角川スニーカー文庫) | 1998.07.01 |
F | ラグナロク2 白の兇器 | 安井健太郎 | 角川書店(角川スニーカー文庫) | 1998.09.01 |
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