Zero-CON とファンタジー | ||
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[2000/08/01-10],updated 2000/09/28 | ||
この十日間で読んだ本は四冊。八月の二日と三日は日本 SF 大会(Zero-CON)。「ミニ・ファンタジーコン」の企画で日本ファンタジーについてのパネルへの参加を依頼されていたのだが、自分の新刊で手一杯で、企画準備もほとんどしないまま登壇してしまった。大した話ができず、申しわけなく思う。 この企画のおかげで、いつかはきちんと読まねばと思いつつ、拾い読みだけして死蔵状態になっていた『泉鏡花集成 7』を通読できた。「海神別荘」と「天守物語」だけ読んで放っておいたのだが、自分の趣味でいえばこの二本がやはりベスト。戯曲はすべてオススメ。あやしく美しくおそろしい水神(女神も男神もいる)はどこか哀しく、読後心に響くものが残る。 ▼ 安房直子氏の著書も、同じ理由でようやく読めた。いつか読まなければと思いつつ今日まで来てしまったのだ。評判通り、とてもよい。 ▼ ふしぎな味わいを残すのは『カスティリオーネの庭』。ジャンル・ファンタジーではないのだが、しかし、中野氏の作品ならではの、最後に世界がぐんにゃりと歪み、いずれが虚でいずれが実かと惑わされる味わいは、幻想的としか言いようがない。強弁してファンタジーと言い切るのは控えるが、ファンタジー者にぜひ読んでほしい本。 ▼ 四冊中唯一ファンタジー以外だったのは、『冥王と獣のダンス』。〈ブギーポップ〉のシリーズで名をなした上遠野氏の、同じ版元から刊行される初のシリーズ外の話、ということで注目を集め、ウェブ上でも感想文をよく見かけた。 |
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Zero-CON とファンタジー : 2000/08/01-10 | ||||
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C F | 泉鏡花集成 7 | 泉鏡花(種村季弘編) | 筑摩書房(ちくま文庫) | 1995.12.04 |
C F | うさぎ屋のひみつ | 安房直子 | 岩崎書店(現代の創作児童文学36) | 1988.02.26 |
C | カスティリオーネの庭 | 中野美代子 | 文藝春秋 | 1997.09.10 |
N | 冥王と獣のダンス | 上遠野浩平 | メディアワークス(電撃文庫) | 2000.08.25 |
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