文章のカメラワーク | ||
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[2001/08/27] | ||
前回のつづき。どうやって、動きによる効果を再現するかについてを整理。
▼ わたしの書くものは、映像喚起力が強いとか、絵で見えてくるとか言われることが多い。これを単純に、自分でも絵を描くからだろうと思っていた。が、「絵を見せるための視点」を提供しているから、そう言われるような文章になるのかもしれない。 シーンを、「特定個人が見ている」映像として描写するから。「特定個人」では狭義すぎるので、「視点を固定した」と言い替えれば普遍化できよう。カメラが撮影したような描写と言い替えれば、もっとわかりやすいかもしれない。 しかも、狭義の「特定個人」に視点を固定して描写することが多いため、安定したカメラ位置をキープすることになり、読者は映像を思い浮かべやすくなる。視点の移動があるときは、かならず章か節をあらためているので、カメラ位置がどこにあるか、混乱が生じることも少ないだろう。 視線の移動がそのままカメラワークになるわけだ。 ▼ 要するに、上述の二分法で言えば、動作を緻密に描写するのが、わたしの基本的な処理方法だということになる。 いかにうまくカメラを切り換えるか、というのもチャレンジしてみねばなあ。 |
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