西洋風ファンタジー | ||
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[2001/02/19] | ||
三周年プレゼント、当選者発表。『魔法の庭』三巻セットは、11ラウンドでようやく決着がつく大激戦。すみませーん、11ラウンドめの勝敗が間違っていました! ウッカリ者ここにきわまれりです。とほほ。 ▼ わたしの書くものは、よく「西洋風」といわれる。おそらく「(西洋の)翻訳ファンタジーにありそうな話」というくらいの意味で「西洋風」と呼ばれているのではないかと、当人は勝手に思っている。 いわゆるファンタジーの基本的な世界観は、西洋中世(なり古代なり)を焼き直したものであることが多い。 書き手の多くは、自分が読んできたものから影響を受け、「こういう話をもっと読みたい→こういう話を書きたい」と進むものだ。その「先人の手になるファンタジー」が、西洋人の書いた西洋人のための物語群であったのだから、そうした現象が起きるのはしかたのないことだろう。 ▼ 『魔法の庭』は、書きはじめた当初、当人は「カルチャー・ギャップ・ファンタジー」などと呼んでいた。北方王国(西洋風)の滅びゆく文化に惚れた、南方王国(南アジア風)人の物語であるからだ。 南方王国が南アジア風であるのには、日本でファンタジーを書く自分を考えたとき、即座に日本神話に取材するのも短絡的だし、問題の解決にならないとも思ったことが影響を与えていると思う。つまり、「明白に西洋でなく」、「日本でもない」場所として選択されたのが「南アジア」だったのだろう。 ▼ エキゾティズムを感じられる場所を、いかに特定文化を匂わせずに創りだすかが、今後の自分の課題になるかもれない。 とはいえ、次回作は特定文化ごりごりなのだが。 |
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