オフ会は見た目が変 | ||
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[2001/10/21] | ||
以前、ネットの知り合い数人で料亭を予約して食事しに行ったことがある。男女とりまぜて年齢層にもバラつきがあり、そのうえ服のセンスもそれぞれ異なっていたため、仲居さんに当惑したように尋ねられた。 「どういうお集まりなんですか?」 いやぁ。趣味の集まりで。 ▼ 職場が同じとか、同じ学校を出たとか、そういう「生活環境が近い」人たちが集まると、たぶん、見た感じも似てくる。ふつうは「生活環境が近い」のでないと、集まったりしないのだろう。知り合うきっかけがないし。 しかし、ネットのおかげで人は容易に「遠く」の人と知り合うようになった。 多くの場合、生活環境が近い知り合いにちょうどいい話し相手がいない、趣味の話題などで盛り上がれる、つまり特定の対象について「心理的に近い」相手と巡り合い、親しく話すようになる。 見た目はバラバラでも、そこに集まっている人たちの中身は非常に「近い」のである……が、もちろん仲居さんにそれがわかるわけもない。 ▼ テクノロジーはさまざまな意味でものごとの距離を狭めたが、もっとも影響を蒙ったのは、心理的なそれだろうと思う。 どんなに心理的に近くても、物理的には遠いのだということを忘れるのは危険である。主観的な世界と客観的な世界にギャップが生じていることを忘れているのと同義であり、行動のバランスが崩れかねない。 個々人の自覚が安全装置というところか。……脆弱だなあ。 などということをつらつらと考える秋の夕暮れであることよのぅ(詠嘆)。 |
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