what i wrote: [2001/03/04]

*W* 単価が高い *W*
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[2001/03/04]

 あと十日ほど(目安)で新刊刊行。題名は『チェンジリング 赤の誓約』。

 また、八百円近くすることになってしまった。今度は薄くして安く、と思ったのに。削ろうと思って書き直すたびに長くなる、本末転倒ぶりを大発揮。

 ハルキ文庫は単価が高いとよく言われる。たしかに高めだと私も思う。

 それは、出版社側が原価計算をした上で「これくらいの価格でこの部数なら大赤字にはならないだろう」という単価設定をした結果である。こういう傾向の本を買う人が、あまり多くはいらっしゃらぬゆえ、いたしかたのなきこと、なのである。

 わたしもハルキ文庫はよく買うので、個人的にはもっと安くなって欲しい。が、シリーズ全体の単価を下げるには、「これだけ出してれば大黒字」というようなベストセラーが出ねば無理。自分がそれを出すのはもっと無理。←諦観

 しかし本も高くなったよなあ……と、昔の本を本棚からひっぱり出すたびに思う。

 本だけではなく、いろいろなものが、それぞれに高くなっているのだが、頻繁に買い、かつ昔の価格を確認できる形で手元に残っているが本だから、つい。

 紙に印刷した「本」がお手頃価格で出まわる時代は、いつまでつづくのだろう。

 何年かしたら、「『本』の時代」の回顧番組がテレビで組まれて。「紙の『本』の専業作家としてベストセラーを記録した○×さん」「編集者として累計何百万冊の『本』を世に送り出した△□さん」のインタビューとか。活字を拾う人など、もはや消えつつあるし。……テレビも今と同じ形態のまま残っているとは限らないか。

 とにかく今は、今できることをやるしかない。頑張れ。誰にともなく。

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