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だから、私たちは知っている―― 
たとえ時が流れても、あの詩が残る限り生きつづけるわ
updated: 2006/12/11

 去年の『皇帝の華』につづいて、わたしにとっては、これが三作目のゲームのノベライズになります。

 物語の舞台を三年前に設定したのは、ゲームに馴染みがないかたにもお読みいただけるように、という意味もありますが、なによりもまず、ゲーム本編に「これが公式のルートですよ」という色合いをつけたくなかったからです。

 王女フィーリアの一年は、ひとりひとりのプレーヤーの、一回のプレイごとの、まぎれもない真実であってほしい——せっかくゲームがそなえている自由度の高さを、小説で阻害したくないと考えました。

 自分にできる限りは、ゲーム本体の世界観やキャラクターを壊さないように心を配ったつもりですし、開発元さまにも仔細にチェックしていただきましたが、それでももし、ゲーム・ユーザーのかたが小説をお読みになったとき、「これは違う」と感じてしまわれたなら、その直感の方を大事にしていただきたい、と思います。

 未プレイのかたにも、ゲームに興味をもっていただけるように。プレイ済みのかたは、また自然にゲームの世界に戻っていただけるようにと念じて、書きました。

 本のページを閉じたとき、「『パレドゥレーヌ』やりたいな」と感じていただければ、こんなに嬉しいことはありません。

 たいせつな作品を預けてくださり、また大量の質問に素早いレスポンスをくださった開発チームのみなさま、ありがとうございました。『パレドゥレーヌ』、ほんとうに面白い、いいゲームだと思います。

 お世話になったたくさんの人に——そして、読んでくださったかたに、心からの感謝を。必要としてくれる人のもとへ、この物語が届きますように。

Dec. 2006 妹尾ゆふ子