what i wrote: おまけ「MYST III EXILE」探訪記

*W* おまけ「MYST III EXILE」探訪記 *W*
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[2001/07/03]

ゲームの解法に一部ふれています。ごく初期のみですが。

某月某日
『MYST III』のレヴューをやらないかという打診がある。
『MYST』といえば! たしか、わたしがまだMacを買ったばかりでイロイロとやってみたいお年頃(注:ここで言う「お年頃」とは、コンピューターを入手してからのユーザー年齢をさす。Mac者一年め、とかそういう時期)であった頃、一世を風靡したMacのゲーム! 買いましたやりました、ええもちろん。
 当時としては画期的な美麗グラフィック! しかもデザイン自体がかっこええ! 当時としては画期的なムービー満載! 謎が謎を呼ぶ謎円環構造! って感じで周囲でも大評判だった。
 でも、わたしはクリアできなかった。なぜか。理由は簡単。

 道に迷って、自分がどこにいるか、わからなくなってしまったのである。

 とほほー。
 そのうえ、行けども行けどもどこにも誰もいない。本の中でワケのわからぬことをグチャグチャとしゃべっている、どう見てもどこかオカシイとしか思えないお兄さんたちがいる以外、生身の人間がぜんぜん見当たらない。
 それでなんだか寂しくなってしまったのもあった。
 自分がどこにいるかわからない、寂しい、その上まわりの人たちがクリアしはじめて、期待したような結末じゃなかったとブーイングが出る。というわけで、投げた。それがわたしと『MYST』との別れ……。

 で、『MYST II』が出たときは、もう買いもしなかった。たしか、『MYST』が出た当時は最速だったマイ・マシンも『MYST II』が出たときは低速になっちゃっていたのだ。とても最新ゲームをプレイしたいと思える感じではなかったし、そもそもパソコンでゲームをしようという気もあまりなくなっていた。

 だから、前作からずるっとつづいている話だと、レヴューできないのでは? とお返事したところ、あらすじをまとめて教えてくれると言われ、それじゃあ……と、つい引き受けてしまったのである。三つ子の魂百まで。『MYST』の魂はいつまで?

某月某日
 さっそく「いままでのお話」と「一癖ありすぎな登場人物一覧(命名わたし)」がメールで届く。むむぅ、こんな話だったのか、『MYST』! 説明してもらってよかった……。

 それにしても、なんにしても、『MYST』から登場しつづけているこのアトラスとかいうオヤジが到底いい人だとは思えないのはわたしだけだろうか。自分の都合で世界を書いては投げ出し、息子たちの教育もたぶん手抜き(勝手な推測)、挙げ句あんなことや、こんなことに。
 そして、その尻ぬぐいをさせられるのは、いつもプレーヤー?

 なんだかなあ。

某月某日
 なかなかソフト本体が届かない。このままでは七月新刊の再校と重なってしまう

某月某日
 編集者から連絡。再校の〆切とゲーム・レヴューの「ここまでにあがると嬉しいな」の〆切が、バッチリかちあうことが判明。とほー。早く来い、ゲーム。

某月某日
 ソフトが届いたが、子どもが熱をだしていてとてもゲームどころではない。なんだか最近呪われているとしか思えない。いえ、これも〆切の神様がとくにわたくしに目をかけてくださっている証拠なのだ。霊験あらたかである。神様神様、これからも〆切を(あまり)破らないで済みますように。ぱむぱむ。

某月某日
 ようやく子どもが人間らしくなってきたので、ゲームをインストール。ディスク四枚組のゲームなのだが、メーカーさんが三枚までしかまわしてくださらなかったそうで、よって、フル・インストールは不可能。CD-ROMをいちいち読みこんでもらわにゃなあ……って、だいじょーぶなのか。
 オープニング始まってしばらくしたところで、いきなり判明。だいじょーぶではなかった〜。キャラクターの台詞が聞こえなくなる。みごとな口パク
 ワケのわからぬうちに謎の男があらわれ、アトラスさんが主人公に向かってなにかぎゃいぎゃい言っている(ように思われる)のに口パク、謎の男もなにか言っているようですが口パク、昏迷をきわめる事態に巻きこまれたプレーヤーは説明ゼロでなにかの本の世界(らしい場所)に放りだされてエンヤコラ。

 ……えーっと

 ゲームを最初からやり直すことに。

 今度はさっきのような事態は発生しなかったので、再現性のあるバグとかそういうものではなく、単に、CD-ROMを読みこみそこなったときにそういうことが起きるのかも。事情が許されるなら、フル・インストールでプレイした方がよさそげ。
 たいへんやる気が削げたので、口パク混乱状態と同じところまで進めて、本日はここまで。

 ところで口パク謎男って、チボデー(アニメ『機動武闘伝Gガンダム』の登場人物)ではないか? まだ確信が持てないが、チボデーっぽい(※後にキャストを見て、ほんとうにチボデーだったことが判明)。
 ちなみに、チボデーの声優さんは「大塚芳忠」という立派なお名前をお持ちだが、ついチボデーと呼んでしまう。いや、声優さんをそう呼ぶのではなく、彼が声をあてるキャラクターをそう呼んでしまうのだ。

AZEL』のときも、ガッシュのことをずーっと「チボデー」って呼んでたしなあ。今回の彼も「チボデー」呼ばわりということになるのだろうか。ていうか、あの人、名前なんていうんだ?

某月某日
 島の中をうろうろと歩きまわる。
 入れない扉がたくさんあるが、少なくとも今回は無人ではない。プレーヤーのことをアトラスと勘違いしているチボデーくんが、島の中央部にそびえる塔の天辺の部屋にいて、ウロウロしているのを覗くことができる。しかし扉には鍵が。
 ……寂しくなったらここに来て、チボデーを覗き見ればよいのだ。てへっ。

 動物さんとちょっと遊ぶ。撫でさせてくれればいいのになあ。
 中央の塔にようやく入る。……一階だが。で、拾った本を見ながらエレベーター下のナニを操作したつもりなのだが、とくになにも起きない。
 ていうか、あの男はなぜワタクシをアトラスと勘違いしたままなのか! やめてぇー。あのオヤジだと思われたままなんて許せないぃー!

 ニッチモサッチモになってしまったので塔を出て、反対側にのぼってみる。
 海上に顔を出しているドームの蓋をギリギリと回転させることができることが判明。おもしろがってまわしていたら、光がびょーんと差してきた! おお、あちこちに立っている信号灯のようなものは、この光をリレーするためのものだったのね!
 ひとつめは、そこだー。さて、ふたつめは……。げっ。折れているではないか。
 どないせぇっつぅねん(困惑)。

 困惑したらゲームをやめるというのが、こういう系列の「詰まったらやることがなくなる」ゲームを楽しむポイントゆえ、本日はここまで。しかし、あんまり「詰まったー。やめたー」をやっていると、〆切までにゲームをどれだけできるかわからない。あー、困った困った。困ったのでこれを書くのも今日はここでやめ(コラ)。

某月某日
 さて、今日はなにをしようか。なにげなく信号灯(勝手にそう名づけました)を覗きこんで、おどろき。うわ! これ、回転させることができたのねぇー! 知らなかったー!

 というわけで、回転させては光がさした方へてくてく歩き、またそこにある信号灯を回転させて……という具合に操作して、光が終点に届くようにした。終点というのは、あからさまにアヤシい建物の前にある、あからさまにアヤシい装置
 んがっ! 光が届いても、扉が開かない。光が届いただけではだめなのか。むぅ。

 さて、昨晩ゲームを終えて、寝ながら気がついたのだが、塔の下で「本に書いてある通りに」操作したはずの器具、ひょっとして間違っていたかも。次は、そっちを確認。ほーらやっぱり! 間違ってた、間違ってた! HAHAHA!
 というわけで、今度はエレベーターがうまく動作。わー、勘違い男が相変わらずわたくしをアトラスだと思いこんでおるではないか! ちゃんと顔見ろよ! っていうか、わたくしはいったいどんな顔をしているのでしょうか先生教えてください。
 ぬー。ひょっとしてアトラスにクリソツなオヤジなんだったりして! きゃあああああああ! なんだかイヤだぁぁぁああああ!
 チボデーは本のなかに消えてしまい、さようなら。
 なんとなく、そこでセーブ。……あー、「command」+「Q」以外にセーブ画面を出す方法があるかどうか、編集さんにきいてみなければ。当然、取り扱い説明書等はなく、メニューバーもなし。

 えーっと。三つの紋章がどうたら言われたが、紋章ってなによ? あ、これか。ふーん。この機械で紋章をロックオン! とかすれば、いいの?
 一応、三つの紋章すべてを揃えてから外に出る。そして、まず鳥みたいなところから覗きに。えーと。ドアの前まで行けないぞ? あと、ナイキのマークみたいなやつ(あまり似ていないが、便宜上そう呼んでみる)は、信号灯のプリズムの終点よね。行ってみよう。……んー、事態変わらず。
 それから、まるい亀みたいなのは岬の突端の穴のとこで……あー、これもダメ。
 むぅ?
 鳥の前をうろついていて、初日にみつけた集音植物を再発見。そういや、こんなのあったなあ。向ける方向によっていろいろな音を拾うのだ。あ、動物の声まで拾ってる。きゅるきゅる。くくぃーる。
 わー! 動物さんありがとう!
 というわけで、鳥の建物に入れるように! んが! なんすか、この同心円に赤い丸……って、あの映像合わせる画面にこんなのあったぞ! メモってこなきゃ……塔に戻り、メモをとってまた鳥の建物へ。
 ……。…………。………………。
 あーダメだー。なにも起きません! つまり、ターゲッティングが甘い! ということでござるな、お主、なかなかやりおるなー! また塔に戻り、よりシビアに画像を合わせるべし! 合わせるべし! そして新しい位置をメモ。鳥の建物に戻って……。よし! やったー!
『EDANNA』の接続書をゲット! こ、この中に入ってみようかな。ドキドキ。

 ……「Disc4を入れてください」?

 うちにはDisc1〜3までしかございませんのことよ〜!(号泣)
「やめる」を選んだらところ、次に表示されたのは……はじめから、ロード、オプション……。ゲーム開始時の初期画面。
 これは、えっと、つまり……また、男が捨て台詞を残して消えたところからやり直し? ですわね? うふふふ。ふふふふふ。ふははははははは!!!

 泣きながらやり直し。えーっと。なにをやればいいんだっけ。鳥だ。鳥。鳥の建物の入り口を開け、中に入って同心円上に配置された球体を、さっきのメモを見ながら配置し直し。
 なにも起きない(泣)。あー、やっぱりまん中の塔でターゲッティングしなきゃダメ? というわけで、上から塔に戻ろうとしたら、中から閂が
 そーそー、そうよね! ロードしたあと下から出たのよね! 内側から開けないと、塔の上の扉は閉まったままなのよね! ええ、間抜けなのはわたくしですとも!
 下に戻る。暇なので、鳥の建物まで上から行くのと下から行くのとどちらが移動数が多いかカウント。だいたい同じくらいであることが判明。ふーん。
 塔のてっぺんのドームで、さっき同様紋章をターゲッティングしようとして、途方に暮れる。あれ? ターゲッティング用の機械が開かないですが? なんで扉が閉まってるの?
 えーと……。
 あ、そうか! そうだそうだ。まず、アトラス(と勘違いされたわたくし)にあの男が残していったメッセージを見なければ。ムービーなのだよ! そうそう、チボデーったらこんなこと言ってま……。

 ああっ! 凍った! システムごと逝去!
 にっちーも、さっちーも!!
 激しくやる気が削げたので、本日はここまで。くそぅ!

某月某日
 あー、「Command」+「Q」以外にセーブをする方策がないかは、指が勝手に解決! 原稿を書くときに癖になっている「Command」+「S」でセーブできることが判明。そうだよなー、当たり前だよなー。しかしセーブしようと思ってもいなかったときに、急にセーブ画面になっておどろいた。ていうか、指。なぜ持ち主の意志を無視して勝手に動く!

 とかいう話はともかく。考えてみたら、鳥はどうせ揃えてもディスクがなくて次の世界に行けないので、別の世界を攻めた方が。じゃあナイキか。よし、ナイキ行こう!

 ……しかし、扉の開けかたがわからない。こういうときは、Ultimate 虎の巻として編集氏よりディスクと同時に与えられた文書(英語。ウェブ上で拾えるそうだ)を見よう! ほんとは自分でときたいが、〆切が迫っていてそんな贅沢言ってる場合じゃないし! そもそも、とけないかもしれないし!
 このアンチョコはたいへんよくできており、やんわりとヒントを教えるページと、容赦なく詳細に回答を教えるページが段階別に設けられている。まずは、「やんわり」の方から。
 うむ。あっという間に判明したが、これ……確認するの面倒だなあ。詳細回答ページを見れば書いてあるんだろうなあ。しかしここはやはり、かったるいなーと思いながら島中まわるべきであろう。
 こつこつと光をたどって非能率的に歩きまわり、ようやくメモ完成。青だの赤だのメモを読み上げながら、扉を押して、おお、開いた開いた。そして同心円の四つの赤い球体を、きゅいーっと動かし、よしっ! 接続書が降りてきたぞー!

 苦節数時間、やっと次の世界へ行くことができた。

 ぐるんぐるんと新しい世界を回転させて見せてくれるフライング・ムービーに圧倒されつつ、到着……の前に、ディスク入れ替え。四枚もあるからなあ。
 いきなり、あやしげな扉発見。がちゃがちゃ。ああ、動かない。いきなり、あやしげな装置発見。おや、接続書……? あっ、うっかりさわってしまったー! うわー、うっかりJ'NANIN(元の世界)に戻ってしまったー! ……ディスク入れ替え(涙)。

 入れ替えて、また接続書を開き、ふたたび戻る。ディスク入れ替え。もういいって。

 きょろきょろしながら歩いて行く。全体に茶色い感じの世界だ。洞窟があっても怖がらずにすたすた入って行けるのは、『MYST』だからだなあ。これが、急に敵キャラが襲ってくるようなゲームだと、前で立ち止まって逡巡しちゃうものなー。

 洞窟内でチボデーの日誌のページを拾う。これ、勝手に拾ってしまっていいのだろうか。実はチボデーは、食うに困ったお父さんに洞窟の奥へ捨てられて、破れたページだけが彼が家へ戻るための道しるべ……(それはない)。

 阿呆なことを考えつつ、扉をがちゃがちゃ。動かん。この世界の扉はみんな動かないのか! さらに洞窟の奥へ。妙な表示を発見。しかしなにもできず。梯子発見。登ってみる。なにか操作できそうだが、まだろくに見てまわらないうちにものを動かすと、もとの状態が見られなくなって「損」という気がするので、動かさずに戻る。さらにさらに洞窟の奥へ。またしてもあやしげな扉。がちゃがちゃ。動かん!

 戻る。洞窟を出て、谷を渡る通路を歩く。金属製のようだ。高所恐怖症なら一歩も動けないと思われる。エレベーターらしき機械があるが、レバーを押してもまったく動かない。この世界の機械はぜんぶ動かないことになっているようだ。その後、謎の飛行船のようなもの、まったく意味不明の機械等発見するも、なにがなにやら。
 高いところに登り、別のルートで谷を渡って戻る。なんだこの配管の中のような……。あっ! これさっきの扉の内側だー! 閂をはずして、と。これで向こうからも開けられるようになったぞ。ばんざい。

 しかしここ自体にはどういう意味があるのだ。いろいろ動かしてみる。下に潜ると、この狭い部屋の外はどろどろと熱された溶岩状のもので満たされているのがわかる。これをなんとかするのだろうなあ。しかしどうやって?
 さらに動かしてみる。あ、動いた。あ、出られた。なんだか嬉しい。

 すっかりやることがなくなって詰まり、本日終了。なんだかいろいろやり過ぎて、とても書ききれない。

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