updated: 2008/10/18
イスヤーム
北嶺で現地採用された尚書官のひとり。反帝国派のため、セルクとは犬猿の仲。それなりに人望もあるため、議場ではセルクと人気を二分している。親戚の少年が、厨房の下働きにいる。
ルーギンの部下で、皇女の騎士団の副団長。見かけはごついが、中身は案外ロマンティスト。押しの一手で娶った妻と末娘への愛を語らせると止まらない。
城の厩舎を仕切る老人で、つねに厩舎第一。ヤエトが厩舎の安泰に一役買ったため、親切にしてくれる。助手に使っている少年は、セルクの親戚。
グランダク
北嶺で現地採用された尚書官のひとり。セルクの友人で、遊び上手。賭け事が大好きで、なんでも賭けのネタにしてしまう。ネタ元筆頭のセルクを怒らせることもしばしばだが、そこまで含めて遊んでいるようだ。
皇女

「次はその口に、命と引き換えにしても
守るといわせてみたいものよ」
真上皇帝のたったひとりの娘として溺愛され、かなわぬ願いはないとまでいわれている十四歳の皇女。お年頃のはずだが、馬に乗ったり剣をふり回したりする方が好き。北嶺に赴任したのも、父皇帝に領地をせがんだ結果らしい。同腹の兄である第三皇子と仲がよい。
皇帝
正式には真上皇帝。元は沙漠の西にある旧帝国の皇帝の弟だったが、軍閥の支持を受け、沙漠を渡って東に至り独立、十六年前に真帝国を興し、みずから初代皇帝となった。
皇妹(ラキニー)

「かわいらしいこと。あの子らしいわ。
とても気に入ったわ、とお伝えしてね」
真上皇帝の妹で、彼の腹心であった《黒狼公》の寡婦。たぐいまれな美姫で、掃いて捨てるほどの崇拝者がいる。皇家に与えられた神の恩寵の力が強く、当代随一の能力者。伝達官に依存せず、血族であれば誰とでも心を繋ぐことができるという。つねにやわらかな物腰で、なにを考えているか読めないところがある。
皇妹の騎士団長。皇帝が滅ぼした沙漠の都市国家アルハン出身の降将で勇猛をもって知られ、帝国でも正式に将軍位を授けられている。
セルク

「あなたを見て思ったんだ。
尚書官というのも立派な仕事なんだ、と」
北嶺で現地採用された尚書官のひとり。熱しやすい性格だが、根は善良で誠実。帝国に漠然とした憧れを抱く親帝国派で、なぜかヤエトに懐いている。短弓を扱わせれば右に出る者はないほどの腕前だが、賭けのネタにされるのは嫌っている。
シロバ
ヤエトが親しくなれた唯一の《ジバシリ》。厩舎長いわく、ヤエトを無事に城に連れ帰るための「お守り」らしい。
ダニウ
北嶺で現地採用された尚書官のひとり。不平不満が多く、人望がない。
皇女付きの、皇帝の伝達官。皇帝の言葉を瞬時に届ける他、その耳目となる能力があるはずだが、新任のためか、つねに不安定な状態。
ナオ
皇女に仕える年配の女官。沙漠の民。皇女の身の回りの世話は余人にはまかせず、近寄る者を片端から追い払おうとする。ヤエトのことは嫌っているらしい。
ナグウィン
都と北嶺のあいだを旅する行商人。ヤエトが北嶺に赴任するとき、同行した。南方人の混血。話し好きで諸般の事情に明るく、悪びれない性格。
ヤエト

「そなたの望みはなんだ」
「隠居です」
帝国の尚書局史部に所属する史官だが、実態はなんでも屋の書記。生来虚弱で熱を出しやすい。左遷先で皇女の副官に任命されてしまった、幸運なのか不運なのか、よくわからない三十六歳。かるく十歳は若く見えるのと、うっかり自分で自分の仕事を増やしてしまいがちなのが悩み。
ルーギン

「わたしの心にふれることができるのは、
あのかただけです」
大貴族の若様で、皇女の騎士団長。家柄善し、器量善し、礼儀作法善し、剣をとらせれば宮廷一の呼び声も高いという完璧さで《華の騎士》とも呼ばれる。軟派に見えるが、実戦経験は豊富。都にいた時分は、にっこり微笑んだだけで乙女がばたばた倒れたという伝説の持ち主。