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2002/09/10 (火)

ダンディ戦隊第四話:「シンデレラになんかさせないワ」(Aパート/サルベージ版)
*Yellow やあ諸君。どんどん長くなっていくダンディ戦隊のテキストを、連日お届け中だ。本日も任務遂行といこうか。

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 喫茶「男手射」――店長は悩んでいた。収入が徐々に下降しているのだ。薪割りコーヒーの実演販売でわずかに持ち直したのも束の間、超有名豪華巨大コーヒー・チェーン店「煩唆夢」の支店が斜向かいに出現して以来、苦戦を強いられていることに変わりはない。
「……コスチュームだ。やはり」
 店長は電話を手にとった。
「ああ、ピン……いや、すまない。うむ、わたしだ。ひとつ、たのみたいことがあるのだがね」
*Yumiko 翌日、出勤したユミコはぶったまげた。店長が、店員の制服をデザインし直すためにデザイナーを呼んだというのだ。制服といっても、店員ひとりずつのイメージにあわせてデザイナーが大幅にアレンジを加えるので、ほとんどオートクチュールの世界である。しかもそのデザイナーが! 今をときめく人気デザイナーMOMOその人である。その人気ぶりに反比例するようにMOMOの私生活は謎に包まれており、年齢性別国籍一切不明。そのMOMOが、なんの変哲もない街の喫茶店「男手射」に! ここでバイトしててよかったと大感激のユミコたち。

*Pink「みなさん、ごく普通に、自然な感じで働いてちょォだい。アタシ、そこからイメージをふくらませるから」
 MOMOの言葉に、カチンコチンになるユミコ。いつもと同じなのはお皿を割りまくることくらいだ。憧れの常連さん(名称未設定)に、苦笑しながら、

*Red「おいおい、コーヒーをたのんだのに薪を持ってきてどうするんだい。ハートに火をつけてって意味かな」
 な〜んて言われてユミコ困っちゃう! 火ならもうぼうぼうと燃えてますッ! きゃっ恥ずかしい! 身を翻して駆け去ったユミコ、入ってきたお客さんにドンとぶつかるまたしても古典的なこの手口はピュア・ハンサムかッ!

 薪を手に身構えたバイトくん(名称未設定)だったが、そこに立っていたのはピュア・ハンサムではなかった。
「こちらにMOMO先生がいらっしゃっているとうかがいまして」
 白衣! 眼鏡! 涼しい目元! なにかたくらんでそうな微笑み! 彼は(株)繁沙無科学の研究員で、服飾素材の開発に携わっており、水も! 油も! コーヒーも! なんでもはじく、繊維「ハジクン」を発表したばかりだと言う。しかし、商品の特性上、業務用ユニフォーム向けの需要がどうしても多くなってしまう。「ハジクン」の実用一本槍なイメージを打破するため、ぜひMOMOのファッション・デザイナーとしての腕をふるってほしいと言うのだ。
 サンプルを使ってみて、よさそうだったらお受けするワ、とMOMO先生。無論ご用意してあります、とサンプルをテーブルの上に積み上げる研究員。
*Yumiko そこにユミコがどちゃーっとコーヒーをこぼしたッ! さすが「ハジクン」、染みひとつつかなかった……のだが、あまり勢いよくはじいてしまったため、しかも研究員の白衣も「ハジクン」製だったため、はじかれたコーヒーがすべてMOMOに。どちゃーっと。ああっ! MOMOの美しい顔がひきつったーッ!

*Pink「なにもかもはじくって、不自然だワ。アタシのモットーは『自然に』なのヨ。やっぱり、このお話はなかったコトにしてちょォだい」

 ぬぉぉぉ! 諦めきれないのは研究員。その場はにこやかに引き下がったものの、胸中に渦巻く怨念! 復讐! 復讐だぁぁ!
 そう、彼こそハンサム四天王のひとり、クレバー・ハンサムだったのだッ!
「恋愛関係なんてもう古い! これでアナタも惚れたのはれたのの心配なく意中の女の子と仲良くなれるゾ! 女心がズバリよくわかる、促成オカマちゃんセット一週間ぶん二十五万円〜仲良くなって安心させた頃に効果が切れます。フフフ、あとは彼女を押し倒そうがなにしようがアナタの自由!」という悪辣非道な「オカマちゃんセット」の購入契約書にハンコを押してしまった、哀れにも気弱な男性C君が、今回の改造麗人だッ! 例によって改造費は本人持ち!
 説明しよう。今までに登場した麗人改造セットもすべて開発はクレバーの手によるものだった。だが、自分が使うのではないからと、かなり手抜きの仕事だった。今回はいわばオートクチュール麗人。必殺技の数も違うぞ!
 オカマ麗人の魔手が、喫茶「男手射」でバイトを終えたユミコに迫る!

     (Bパートにつづく)

大リーグ、石井投手の頭部に打球直撃、緊急手術
*Red ぃぇあ。ちょっとおとなしめの登場だ。
 懐かしい話の合間に、ちょっとばかし気の重いニュース。テレビの報道によればもう手術は終わったらしいが、去年はうちの中古のお嬢ちゃんの贔屓球団、ヤクルト・スワローズの石井投手。試合中に頭部にライナーを受け、頭蓋骨にひびが入ってしまったそうだ。いわゆる「ピッチャー返し」だな。その衝撃は3トンとも2トンとも言われる。

スポニチの記事
 →石井にライナー直撃 頭がい骨にひび
サンスポの記事
 →石井、今季絶望 頭蓋骨に亀裂骨折で緊急手術
 →打球直撃の要因は夕日と影 日陰からボール飛び出し避けきれず
 →衝撃は貴乃花20人が頭の上に乗ったもの 石井、頭部に打球

 わかりやすいとはいえ、「貴乃花20人が頭の上に」乗った光景を想像するのは、ちょっと難しいナ、ハニー。石井投手の回復を祈りつつ、想像力を鍛えてみよう。

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